自死という生き方―覚悟して逝った哲学者価格: 1,890円 レビュー評価:3.5 レビュー数:18
この方の著作物を読むのは初めてでした。
とても文章のうまい方で、取り扱っているテーマが割と特殊なものであるにも関わらず、すいすいと読めました。
事前の予想では、「自身の自殺願望を肯定するための理論武装を開陳されてしまうのかもしれない」と、やや警戒気味だったのですが、決してそんなことはなく、他者に対して分かり易く説しようという意思が隅々にまで貫かれており、絶筆となったことを前提として読まなければならない本書ではありますが、とてもあっさりとした読後感が残ります。
私は、これは逆に、「自らの生命を掛けた哲学を、できるだけ多くの人に理解して欲しい」という強い願いか